障害年金の申請から支給までの手続きは、いくつかの重要なステップを経て進められます。
以下に、障害年金が支給されるまでの全体の流れと具体的な手続きについて説明します。
このページの目次
1. 初回相談・情報収集
相談と確認
まず、障害年金を申請する際は、年金事務所に相談し、自分が障害年金を受給できそうか確認します。
この段階では、以下の点を確認します。
- 初診日がどこにあたるか
- 保険料納付状況が保険料納付要件を満たしているか
- 障害の程度が年金の受給対象に該当しそうか

2. 必要書類の準備
必要書類の収集と作成
次に、申請に必要な書類を準備します。具体的には以下の書類が必要です。
- 受診状況等証明書
初診日を証明するための書類で、初診日が特定の医療機関であったことを証明します。
診察を受けた医療機関から発行してもらいます。 - 診断書
医師が作成する障害の状態を証明する書類です。
障害の種類によって所定の様式が異なるため、適切な診断書を準備します。 - 病歴・就労状況等申立書
発症から現在までの日常生活や就労の状況等を請求者本人が申立てる書類です。
正確に内容が記入できるよう入念に準備します。 - 年金請求書
障害年金を申請するための書類です。
年金事務所で配布されるほか、インターネットからもダウンロード可能です。 - 住民票・戸籍謄本・運転免許証当
身分証明書類として提出が求められることがあります。
診断書の取得
診断書は、障害の程度を確認するための重要な書類です。かかりつけの医師に障害年金用の診断書を作成してもらいます。
診断書の内容が不十分だと、審査に影響が出るため、診断内容が適切に記載されているかをしっかり確認することが大切です。

3. 書類の提出
年金事務所への提出
準備した書類を年金事務所(全国どこの年金事務所でも可)に提出します。
提出する前に、書類の記入漏れや誤りがないかを確認し、必要な書類がすべて揃っているかもチェックします。

4. 審査
年金機構での審査
提出、受付された書類をもとに、日本年金機構が審査を行います。審査は日本年金機構と契約している医師が行います。
この審査では、提出された診断書や受診状況等証明書、病歴・就労状況等申立書を元に、障害や病状、就労状況とうが審査されます。
- 初診日の確認:初診日が正しく証明されているか。
- 障害状態の確認:障害の程度が障害年金の受給基準に達しているか。

5. 審査結果の通知
審査結果の受け取り
審査が完了すると、年金機構から審査結果や年金証書が郵送で通知されます。
年金証書には、障害年金の等級、支給額、支給開始月などが記載されています。
支給決定
支給が決定された場合、年金証書には支給額や支給決定月などが記載されます。
不支給
支給が認められなかった場合、その理由が説明されます。
不服がある場合は、不服申立て(審査請求)を行うことができます。

6. 年金の受給開始
初回支給の受け取り
審査結果が支給決定の場合、指定した銀行口座に年金が振り込まれます。
初回の支給は、審査結果が通知されてから数ヶ月後になることがあります。
支給開始月
原則として、初診日から1年6か月経過後の日(障害認定日)の翌月分から(認定日請求の場合)、または請求月の翌月分から(事後重症請求の場合)支給が開始されます。
支給頻度
年金は2ヶ月に一度、偶数月に振り込まれます。

7. 受給後のフォローアップ
受給状況の確認
年金の受給が開始された後も、永久認定された場合を除き定期的に障害の状態を確認するための手続き(更新手続き)が必要です。
この際には再度診断書の提出が求められます。
更新手続き
支給される年金は、障害の状態が継続しているか確認されるため、定期的に診断書の提出が求められます。
変更手続き
住所や振込先口座が変更になった場合は、速やかに年金事務所に届け出ます。
まとめ
障害年金が支給されるまでには、年金事務所での相談から書類準備、提出、審査、支給までの一連の流れが必要です。手続きが複雑であり提出までに時間を要することも多いので、請求を考えている方は早めに準備を始め、必要書類を揃えることが大切です。
請求が遅れればそれだけ手元に年金が入ってくるのが遅くなる可能性がありますし、場合によっては支給開始月がずれ込んでしまったり、時効消滅してしまう期間が出てしまうこともあります。
特に書類の不備や審査結果に対する不服申立てなど、問題が生じた場合は、専門家である社労士に相談することをお勧めします。
専門家のサポートを受けることで、手続きがスムーズに進み、障害年金を適切に受給できる可能性が高まります。