
障害年金の申請を行った結果、期待していた受給が認められなかった場合や、審査結果に納得がいかない場合があります。
そのような場合、審査結果に対して不服を申し立てる手続きが用意されています。
不服申立ては、正式な手続きに従って進める必要があり、適切に進めることで再審査の機会を得ることができます。ここでは、不服申立ての方法と手続きについて詳しく説明します。
このページの目次
1. 不服申立てとは?
不服申立てとは、障害年金の審査結果に納得できない場合に、その結果に対して異議を申し立て、再審査を求める手続きです。申請者が納得できない理由を基に、審査を行った機関に再度審査を依頼することができます。
不服申立てが認められるケース
- 支給が認められなかった場合:障害年金の支給が認められなかったケース。
- 障害等級が期待よりも低かった場合:障害等級が申請した等級よりも低く認定された場合。
- 初診日の認定に不満がある場合:初診日の証明が取れなった場合や因果関係のある他の傷病がある場合等の初診日の認定結果が不適切だと感じた場合。
2. 不服申立ての種類
不服申立てには、主に2つの種類があります。
1. 審査請求
再審査請求は、まずはじめに行う不服申立ての手続きです。これは、年金機構が行った審査に対して異議を申し立てるもので、再度審査を求めます。
- 提出先:請求書を提出した年金事務所の管轄の「社会保険審査官」(各地方厚生局に設置)に対して提出します。
- 提出期限:原則として、審査結果を知った日から3か月以内に行う必要があります。
- 審査方法:社会保険審査官が、提出された証拠や資料を基に再度審査を行います。
2. 審査請求の結果に不満がある場合(再審査請求)
再審査請求の結果にも納得できない場合は、次のステップとして再審査請求を行うことができます。
- 提出先:厚生労働省に設置された「社会保険審査会」に対して提出します。
- 提出期限:再審査請求の結果通知を受け取った日から3か月以内に行います。
- 審査方法:社会保険審査会が、再審査請求の結果を検討し、独自に審査を行います。審査会は、審査官よりも独立性の高い機関であり、より公正な審査が期待されます。
3. 不服申立ての手続きの流れ
不服申立てを行う際の一般的な手続きの流れは次の通りです。
1. 審査結果の確認
審査結果の通知を受け取り、不満点や異議を持つ理由を整理します。具体的にどの部分が納得できないのかを明確にすることが重要です。

2. (再)審査請求書の作成
( 再)審査請求のための書類((再)審査請求書)を作成します。これには、審査結果に納得できない理由、再度審査を求める具体的な内容を詳細に記載します。
必要に応じて、新たな証拠資料や医師の診断書を添付し、(再)審査請求の根拠を補強します。

3. 書類の提出
作成した異議申し立て書を、審査請求の場合は社会保険審査官、再審査請求の場合は社会保険審査会に提出します。提出期限を厳守し、書類が確実に届くようにします。

4. (再)審査請求に対する結果通知
再審査請求が受理されると、審査が行われます。審査結果が通知されるまでには、通常数ヶ月かかることがあります。

5. 結果に基づく次の行動
(再)審査請求の結果に納得できる場合は、そのまま支給が開始されます。審査請求の結果に納得できない場合は再審査請求を行うか、再審査請求の結果に納得できない場合は他の法的手段をとるか検討することになります。
4. 不服申立ての際の注意点
提出期限の厳守
不服申立てには提出期限が設定されています。これを過ぎると、申立ての権利を失うため、必ず期限内に提出するよう注意しましょう。
証拠資料の充実
不服申立てを成功させるためには、診断書や証拠資料の内容が非常に重要です。医師に意見書を書いてもらったり、可能であれば再度詳細な診断書を書いてもらうなど、資料を充実させることが求められます。
専門家のサポートを活用
不服申立ては複雑な手続きが伴うため、社労士などの専門家にサポートを依頼することで、より適切な対応が可能になります。
5. 専門家に相談するメリット
不服申立ての手続きは法的な知識や詳細な手続きの理解が求められるため、専門家に相談することをお勧めします。
障害年金に精通した社労士に依頼することで、証拠の整理、そして適切な申立ての進め方についてアドバイスを受けたり、申請書類の作成や審査機関とのやり取りを代行してくれるため、精神的な負担も軽減されます。
まとめ
障害年金の審査結果に納得がいかない場合でも、不服申立てを通じて再度審査を求めることが可能です。審査請求と再審査請求という手続きが用意されており、それぞれの段階で適切な対応を行うことで、審査結果が覆る可能性があります。
不服申立ては期限内に、十分な証拠資料を揃えて行うことが重要です。不安な場合は、ぜひ専門家に相談し、適切な手続きを進めるよう心がけましょう。