障害年金と障害者手帳は、どちらも障害を持つ方への支援制度ですが、それぞれ異なる目的と機能を持っています。
以下に、障害年金と障害者手帳の違いについて詳しく説明します。
このページの目次
1. 障害年金とは?
障害年金は、病気やけがによって働くことが難しくなったり、日常生活に支障をきたす障害を持つ方に対して、生活費の一部を支援するために支給される公的年金です。
目的
障害年金は、主に経済的支援を目的としています。
働くことが困難で収入が減少した場合や、治療費や生活費に対する支援が必要な場合に支給されます。
対象者
障害年金は、原則初診日において国民年金または厚生年金に加入している人が対象です。
加入中に障害の原因となる病気やけがを負った場合に申請できます。
支給内容
支給額は、障害の等級や年金制度への加入状況に応じて異なります。
具体的には、障害基礎年金(1級・2級)や障害厚生年金(1級~3級)として支給されます。
障害の程度に応じて、年金として毎月または2ヶ月ごとに一定の金額が振り込まれます。
申請手続き
障害年金を受給するには、初診日を証明する書類、医師の診断書などを揃えて年金事務所に申請します。
2. 障害者手帳とは?
障害者手帳は、障害を持つ方が各種福祉サービスや支援を受ける際に、その障害の程度を証明するために交付される証明書です。
障害者手帳には、身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳、療育手帳の3種類があります。
目的
障害者手帳の主な目的は、障害を持つ方が福祉サービスや優遇措置を受けやすくするためです。
手帳を提示することで、交通機関の割引や税金の軽減、公共施設の利用料の減免など、さまざまな支援を受けることができます。
対象者
- 身体障害者手帳:身体的な障害(視覚、聴覚、肢体、内部障害など)を持つ方。
- 精神障害者保健福祉手帳:精神疾患(統合失調症、うつ病、発達障害など)を持つ方。
- 療育手帳:知的障害を持つ方。
支給内容
障害者手帳そのものに金銭的な支給はありませんが、手帳を所持することでさまざまな福祉サービスや優遇措置を受けることができます。
例えば、交通機関の割引、税金の軽減、医療費の助成、公共施設の割引利用などが含まれます。
申請手続き
障害者手帳の交付を受けるには、医師の診断書などの書類を揃えて、住んでいる地域の市区町村役場に申請します。
3. 主な違い
1. 目的と役割
- 障害年金は、障害により収入が減少したり、生活費が増加した場合の経済的支援を目的としています。
- 障害者手帳は、障害を持つ方が社会で生活する上でのさまざまなサービスや優遇措置を受けるための証明書として機能します。
2. 支給内容
- 障害年金は、障害の程度に応じて金銭的な支援を受けることができます。
- 障害者手帳は金銭的な支給はありませんが、割引や税制優遇などの非金銭的な支援を受けることができます。
3. 対象者と基準
- 障害年金は、年金制度に加入していることが前提です。
年金加入期間中に障害が発生した場合に支給されます。 - 障害者手帳は、障害の種類や程度に応じて交付されます。
年齢や年金加入状況に関係なく、障害を持つ方が対象となります。
4. 申請手続き
- 障害年金は、年金事務所で手続きを行い、書類の審査や障害の状態の確認が行われます。
- 障害者手帳は、各市区町村役場で手続きを行い、診断書などの書類を提出して交付を受けます。
まとめ
障害年金と障害者手帳は、障害を持つ方への支援制度ですが、その目的や役割、受給対象者、支給内容には大きな違いがあります。障害年金は経済的支援を目的とし、障害者手帳は福祉サービスや優遇措置を受けるための証明書として機能します。
両者を適切に活用することで、障害を持つ方の生活がより安定し、充実したものになるでしょう。
もしこれらの制度について詳しく知りたい場合や、申請手続きに不安がある場合は、専門家や役所に相談することをお勧めします。